風俗ではないメンズエステ、その曖昧なラインの魅力とは?

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メンズエステとは?

メンズエステとは、若い女性セラピストが男性客を相手に全身をオイルでマッサージする、今流行している男性向けのリラクゼーションスポットです。多くの場合、マンションの一室やホテルのルームが施術場所となり、店員はおらず、セラピストと男性客が二人きりで施術が行われます。マットレスの上で紙パンツ姿の男性客に対し、セラピストは露出度の高い衣装を纏い、オイルを使って全身のマッサージを施します。

このマッサージは、一般的なリラクゼーションマッサージとは異なり、オイルを使用しながら鼠蹊部などを刺激することや、セラピストが全身を使って密着する施術が特徴です。このような刺激的な施術が、メンズエステの醍醐味の一つとなっています。そのため、時には施術を受けた男性客が更なる性的サービスを期待してしまうこともあります。

ただし、メンズエステは非風俗店であり、性的サービスや男性客からのボディータッチは基本的に禁止されています。しかしながら、セラピストはリピーターを確保するために、実際にはそのようなサービスに応じるケースもあるのが現実です。

非風俗というのは店舗は建前なのか?

メンズエステが非風俗店であるというのは、確かに公式な立場としては正しいものです。ほとんどの店舗では、セラピストに対して性的なサービスはNGであることを明確に伝えています。しかし、業界内の「暗黙の了解」とも言える風習が存在し、実際には性的サービスの要求に応じなければ、リピーターや新規顧客の獲得が難しいと考えているのは、お店側もセラピスト側も共通の認識であるというのが現状です。

つまり、表向きは非風俗の立場を守りながらも、現実的には性的なサービスが提供されることがリピーター獲得の一因になっているという側面があるのです。ただし、すべての店舗やセラピストがそうではなく、店舗によって運営方針や施術の内容には大きな差があります。

実態はセラピストに委ねられる?

メンズエステでは、どこまでのサービスを提供するかはセラピストに委ねられていることが多いです。そして、仮にセラピストが性的なサービスを行っているという事実があったとしても、お店側がそれを黙認しているケースも少なくありません。

その結果、サービスの内容が過度にエスカレートし、風俗営業許可を取得していないメンズエステが実質的に風俗営業を行っているとみなされ、摘発される事例も珍しくありません。お店側が明示的にサービスを指示していない場合でも、黙認状態が続けばリスクが伴うのが現実です。

メンズエステへ行く客が期待しているものとは

実際にメンズエステへ足を運ぶ男性客の目的は、リラクゼーションとしての癒しを求める場合もあれば、性的なサービスがあるかもしれないという期待を抱いている場合もあります。多くの男性客は、メンズエステが公式には「性的サービスNG」であることを理解した上で訪れていますが、その一方で、業界の「建前」と「現実」のギャップも知っていることが多いでしょう。

何かしらのハプニングを期待する男性客たち

つまり、男性客はリラクゼーションの施術を楽しむために訪れる一方で、特定のセラピストやお店での暗黙のルールを期待していることも少なくないというのが実情です。すべての男性客が性的サービスを期待しているわけではありませんが、実際にはその期待がリピーターとして足を運ぶ理由になっているケースも多いです。

そして、通常の施術以上の「ハプニング」が起こることで、本来の目的とは異なる快感を得ることができる場合、そうした予期せぬ展開が、メンズエステの中毒性を強め、病みつきになってしまう要因となります。これこそが、メンズエステの醍醐味だと感じる人もいるでしょう。

ただし、これらの要素は店舗やセラピストによって大きく異なります。多くの店舗では、リラクゼーションを提供することを明確な目的としており、性的なサービスを一切提供しない健全な運営をしているところも数多く存在します。

なぜ今メンズエステなのか?

メンズエステが流行し始めたのは2016年頃ですが、それまで性的なサービスを提供していたのは主に風俗店でした。では、なぜ今になってメンズエステという業態が急速に広まったのでしょうか?

一つの背景として、SNSや口コミサイトの普及により、店舗だけでなく、個人でもマーケティングが可能になったことが挙げられます。しかし、それ以上に、お店とセラピストの双方にとって大きな利点があることが、この流行を支えていると考えられます。

店にとって微妙なラインであるメリットとは?

メンズエステは、リラクゼーションマッサージ店と同様の業態であるため、風俗営業許可を取得しなくても運営できるという大きなメリットがあります。もちろん、風俗営業許可を取得せずに風俗営業を行うことは違法ですが、許可を取らずに運営できることで、風俗店に比べて厳しい規制を避けられる点が魅力です。

さらに、メンズエステという業態は、風俗店に比べて女性の採用ハードルが低く、採用活動がしやすいという利点があります。質の高いセラピストの採用は店舗運営において重要な要素であるため、風俗店として募集するよりも、メンズエステ店として募集を行う方が圧倒的に効率的で、優秀な人材を確保しやすいのです。

セラピストにとって微妙なラインであるメリットとは?

セラピストにとって、メンズエステという業態には「客を選べる」という大きなメリットがあります。メンズエステでは、基本的に提供するサービスは全身のオイルマッサージであり、それ以上の性的サービスを提供する義務はありません。ここが風俗との大きな違いであり、セラピストは客との相性に応じて、必要最低限以上のサービスを提供するかどうかを自身で決めることができるのです。

セラピストもプロでありながら一人の人間であるため、客との相性が大きな影響を与えることがあります。「この人なら特別なサービスをしてもいい」と感じることもあり、それが理由でメンズエステという業態を選んで働いているセラピストも少なくありません。この柔軟性が、セラピストにとって魅力的なポイントとなっているのです。

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